火傷から復帰するための7つのステップ
下記は、死にたいぐらいに思っていた火傷の悩みから開放された、私の軌跡になります。万人にいえることではないかもしれませんが、何かの参考になればと思います。
1.生きいればいいこともある
- なぜ自分だけがこんなことになってしまったのか。他人はあんなに幸せそうなのに。
- もとの人生が取り戻せないのなら死んだほうがましと思う。
- 一方で、世の中の不幸を見回してみると、自分よりも悲惨な人が確実にいる。
- 不幸な人間が存在することを糧にして、自殺を思いとどまることができる。
- これまでも不幸と幸福を行きしてきた、今が最悪なら振り子はまた振れるはず。
2.自分は存在してもいい
- 綺麗なものは綺麗、醜いものは醜い、というテレビや常識が存在する。
- 醜い体となってしまった自分に自信がもてない。存在してはいけない気がする。
- 醜い自分の存在を認めうる価値観を再構築する必要がある。
- 自分へのコンプレックスはみんな持っている、程度の差こそあれ。
- 火傷による醜さは、人それぞれの顔が違うのと同じ違いである。
- 火傷による醜さは、否定的、哀れみの対象とはならない。
- どんな障害も個性(byオトタケどこ行った?)である。
- 火傷という事実はかえられなくても、自分の考え方はかえられる。
- 自分が生きていける考え方ならほかのどんななんでもいい。
- 少なくとも、理性で考える限りは自分の存在理由が得られる。
3.独りで生きていく
人が異物を差別視するのは当然
- 醜い人間は存在しないはずという常識があるから、実際に醜い人間に出会うと素直に驚く。
- 想定していないものを見ると、じろじろ見たくなるのは人の性、立場が逆だった自分だってそうする。
- 火傷による普通とは違う容姿をもてば差別を受けるのが当然。
他人による助言は受け入れられない
- 人は言う、死ななくてよかったね、人は見た目じゃないから・・・、もっとつらい人がいるから・・・。
- 助言が真をついているほど拒絶反応が強い。
- 火傷してない人が言う慰めは無意味。気持ちがわかるわけがない。
人とわかりあうことは無理
- 障害者の身になってはじめて、障害者を勇気付けることの困難さを実感する。
- 気を使わせないように振舞うので、わかってもらうことはできない。
- 他人に火傷の苦しさをわかってもらうことは不可能。
4.まず行動してみる、時間は有限なのだ
- すでにゲームオーバーしてる。ゼロスタート
- モラトリアムを与えられている。失敗が許される。
- 愚痴ったところで社会は変わらない、火傷に関係なく世界は回り続ける。
- 自分の悲劇に甘えていても自分の持ち時間(人生)が無くなるだけ。
- ほかの重大な障害に比べて、体が動くことはすごいこと。
- できなくなったことは確かにある、しかしできることが増えていることも確かである。
- 集中治療室で何もできなかったときに比べれば、今できることは無限にある。
5.同じ体験者とかかわる
熱傷フェニックス
- 営利を目的としない全国ボランティア団体。
- 対象は、熱傷(やけど)により生じた傷痕、機能障害で、身体的、精神的な後遺症の問題で悩んでいる熱傷体験者をとそのご家族。
- 目的は、同じような経験をした熱傷体験者やそのご家族との親交、熱傷関連の情報の伝達、医療機関のご紹介により、治療を支援し、心の痛みを和らげ、前向きに社会へ参加していただくこと。
ユニークフェイス
病気や怪我などによって変形したり、大きなアザや傷のある顔や身体を持つ当事者を支援するNPO法人。また、その当事者の総称として扱われることもある。人の美醜に関する基本的思想を提供してくれた。
やけどの広場
ネットワーク上にてコミュニケーションを実現する。リアル人間とかかわる前に訓練するための場所。
6.仕事(人)とかかわる
- 今後の社会で必須と思われる業界のスキルを身につける。
- 勉強させてもらうつもりで望む。
- やりたいスキルが身につく職場に出会えたらしがみつく。
- 真の経営者は見た目でなく、仕事に対する熱心さだけ見ている。
- できる先輩がやっていることを見る、学ぶ、まねる、提案する。
- 正社員の立場をのっとる気概で。
- 目に見える強力な説得材料(火傷跡)を有効活用する。
- 見た目にはこだわらない、死んだつもりで何にでも挑戦できる、ハングリー精神旺盛が真に迫っている(ように見える)。
- 火傷と一緒に記憶に焼き付ける、個性アピールに有効。強力な営業ツール
- 時間に追われるので、いい意味で火傷問題どころでなくなる。
- この段階まで来ると、火傷人生から通常人生に追いつけ追い越せ。
- 適度な壁が提供されるので、RPGゲームのように乗り越える喜びが得られる。
- いろんなすごい人間に出会えるので、深い学びの機会が得られる。
- 一生懸命な姿をさらしていれば、自然に応援してくれる人が増える。
- あらゆる作業効率が高まるので、残りの人生に振り分けられるリソースが実質増える。
7.最後の救い宗教的な何か
- 最悪の精神崩壊だけは避けて、手段を選ばないのはやむをえない。
- 人生を全うできる目処はたっても、火傷の核心的な問題は避けている。
- ここからは火傷問題をこえた人間普遍の問題でもある。
- 火傷の問題はなかったというのが答えかもしれない。
- 結局、人間の死生観の問いに行き着く。
- 生の問題を救うのは宗教であることが多いが、別のほかの動機付けでもいい。
- 宗教のいう、現世をよく生きれば死後、来世が安泰という教えは、結局現世を大事に生きろってこと
- たまたま与えられた人間という器の中で信じたものに対峙して、現世で相応の努力をすればいい。
- もし来世での評価があるとしたら、おそらく結果ではなく取り組み姿勢だろう。
- 火傷人ががんばっていると、勇気を与える存在といわれるようになる。
- 恩返しのようなものを意識する(かつて誰かから生きてく気を得たように、こんどは別の誰かに勇気を与える的な)。
2 Responses to '火傷から復帰するための7つのステップ'

救われなかったら、現世をよく生きることなど出来ませんよね?
そして、自分の努力で救われると思いますか?
宗教って案外、厳しいですよ。自分の信を自分自身に突きつけられ、問われるから。
まぁ、安心して悔いなく死んで行けるものがあるとしたら、その手段は宗教じゃ
なくても構わないと思います。俺には見つからないけどね…。
匿名希望
6 12月 09 at 12:13 PM
たぶん救われるという感覚はとらえどころがなく、きりがないものなので、たとえどんな状況になっても救われたと実感することは不可能ではないでしょうか?
なので、実際に救われるかどうかはどうでもいいんです。
言いたかったのは、基本的には現状に満足し、もし不満があるのであれば、それを満たすための努力をすればいいのでは?
ただし身の丈にあった努力を、ということです。
身の丈ってのは努力を続けていれば次第に大きくなるものです。
コメント設定に不備があり、コメントが反映されていました。大変申し訳ありませんでした。匿名希望様の実際の投稿は11月24日でした。
なご
6 12月 09 at 12:47 PM